第33回 日本臨床スポーツ医学学会学術集会

2022年11月12日(土)、13日(日)の2日間にわたり、「第33回 日本臨床スポーツ医学学会学術集会」が開催されます。

会長は山下敏彦先生(札幌医科大学 理事長・学長)、弊社代表本橋は2つの演目で演者として登壇いたします。

山下先生のご挨拶にもありますように、ウィズコロナの時代におけるスポーツのあり方、そしてアフターコロナの時代に向けたスポーツ医科学の方向性、発展性について議論する場とするため、今回のテーマは『新しい世界、新しいスポーツサイエンス』となっております。

ぜひ、札幌の現地会場にてご参加いただければ幸いです。※一部演題はオンデマンド配信予定。

以下、学術集会の概要と本橋の演題を記します。


第33回 日本臨床スポーツ医学学会学術集会

テーマ「新しい世界、新しいスポーツサイエンス」

 

■会期:2022年11月12日(土)・13日(日)

■会場:ロイトン札幌

■開催形式:現地開催(ライブ配信はございません)
※一部プログラムをオンデマンド配信(2022年11月末~12月23日(金)正午まで)

■会長:山下敏彦先生(札幌医科大学 理事長・学長)

■全体のプログラム:コチラからご覧ください。

■本橋の登壇する演題は以下の2つです。

シンポジウム9 腰部障害と体幹コンディショニング(オンデマンド配信あり)

11月12日(土)9:50~11:20 第5会場(2F・ハイネスホール)

・座長:西良浩一先生(徳島大学 整形外科)、成田崇矢先生(桐蔭横浜大学 スポーツ科学研究科)

・本橋演題:「腰部障害と体幹コンディショニング」

(抄録)

若年者のアスリートにおいては,筋・筋膜性腰痛,椎間関節性腰痛,仙腸関節性腰痛,椎間板性腰痛が主な病態となる.加齢性の変形性変化が生じていない若年者の腰痛は,圧痛検査などのほか,動作から評価することが腰痛の原因を探るために有効と言える.この動作評価とは,競技特性から不良動作や疼痛部位を見極めることであり,そこから腰痛発生メカニズムを解明することが重要である.体幹安定化機能不全が生じている要因を見つけ出すのである.そして,コンディショニングトレーニングの実施後,疼痛軽減効果をもって最終評価をするのが望ましい.これらは医師との連携により可能な限り投薬よりも先に運動療法によって徐痛効果を期待したい.

このコンディショニングトレーニングとは,体幹の中でも特に腹腔を囲むインナーユニットである横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群がグローバル筋よりも先行して稼働させることから始まる.特に腰痛に関しては,正しく体幹を機能させるためのモーターコントロールと,グローバル筋とローカル筋の共同作業が必要であり,バランス良く機能させなくてはならない.こうして腰部の安定性が保たれた状態で腰椎挙動がおこなわれ,さらに胸郭や股関節の可動性が獲得されることが望ましい.

モーターコントロールを意識したエクササイズとして今注目されているのがヨガとピラティスである.この両メソッドは呼吸機能を高めるが、なぜ呼吸が腰痛改善・予防に有効であるかについても言及したい.

ランチョンセミナー1

11月12日(土)11:35~12:35 第1会場(3F・ロイトンホールAB)

 

・共催:日本シグマックス株式会社/SPINE CONDITIONING STATION

・座長:金岡恒治先生(早稲田大学 スポーツ科学学術院)

・本橋演題:運動器障害の一次予防としてのモーターコントロールエクササイズ

(抄録)

Exercise is medicine(運動は薬である)という言葉が定着しつつあるが,薬となるエクササイズとは何か,病態別にどう使ったら良いかについて把握できているだろうか.この数年,運動療法の変革が生じ,動きを単独で見ることや,疼痛部位のみの画像診断するのではなく,全身の動作を包括的に観察し,障害の要因となり得る機能不全を評価する必要性が強調されている。このコンセプトに基づき、多くの医師や医療従事者が,モーターコントロールを意識したエクササイズを臨床で活用し始めている.つまりExercise as medicine(薬として運動を使う)として手軽に処方できるようにするための方法を考える段階にきている.

本講演で紹介するヨガやピラティスといったエクササイズは,関節や筋の可動性のみを追求したものではなく,呼吸に重点を置き,脊椎を支えるローカル筋とグローバル筋を適切に稼働させ,動的安定性も獲得できるモーターコントロールエクササイズ(MCEx)である.これは「適切な関節が,適切な可動域において,適切なタイミングと,適切な強度で利用される」機能的動作である.一つでも不良な動作があれば全身を協調して動かせず代償動作が伴い,パフォーマンスが低下するだけでなく,障害因子となるだろう.各関節の運動連鎖によるエネルギーの伝達,つまり全身運動で,スムーズな協調性を獲得しなければならない.

両メソッドによる運動療法は,除痛だけを目的とするのではなく,全身の機能回復することや,運動器障害の一次予防対策として有用である.このセミナーでは外来診療時やリハビリテーションで活用することのできる具体的な動作指導や言葉がけを紹介する.

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